インプラントの構造
インプラントとは、歯の失われた部分の顎の骨の中に、人工的な歯根を埋め込み、その上に人工歯を取り付ける治療法をいいます。
インプラントは人工歯根とも呼ばれ、天然歯に近い構造をもち、口の中の機能回復と審美性を追求した新しい歯科治療です。
インプラントは、顎の骨の中に埋め込む歯根部、歯の部分に相当する上部構造と、その間を連結する支台部のおよそ3つの部分から構成されています。
当院使用のインプラント
現在、当院では主に国産のブレーンベース社インプラントシステムを使用しています。
もちろん、海外の大手インプラントメーカーは経験が多い分、バリエーションもさまざまですが、事業規模も大きいためか、規格が急に変更されることがまれにあります。
その点、国内メーカーは規格の変更を事前に通知をしてくれます。
例えば、古い規格の時に埋入したインプラントでもリカバリー(不調を元に戻す治療)の際にはそれに合わせた製品を作成してくれるなど、きめ細かい対応が期待できます。
また、当院ではインプラント治療の症例データを保存しており、これを分析した結果、同社の製品は細胞との結合が良好で、日本人の顎の骨や口腔環境に合ったインプラントシステムだという印象を持っています。
国際的な評価規格である国際標準化機構(ISO)やアメリカ食品医薬品局 (FDA) の認証も取得しているインプラントだということも使用している理由の一つです。
ガイドシステムと培ってきた経験で、患者さまの不安と負担を軽減する手術を行います
インプラント治療には、「切る」「縫う」「出血」といった不安がつきまといます。
そんなストレスを払拭(ふっしょく)し、治療を受けていただくために当院では外科的な侵襲(切開や麻酔など外部からの刺激)をできるだけ少なく抑えることを念頭に治療を行います。
特にCTで撮影した顎の骨や口腔内の状態の画像をもとに、手術前にコンピューターによるシミュレーションで埋入位置を決定するガイドシステムを使用することで、患者さまの負担を低減することができます。
さらにコンピューター画像の分析だけではわからない、埋入する骨の硬さ等を触診で判断しながら微調整を行います。
そのため、患者さまの負担や手術リスクの少ないインプラントの埋入が可能です。
インプラントの材質と形態
材質として、金属製(チタンなど)、セラミック製、金属にセラミックスをコーティングしたのもなどがあります。
いずれも体内に埋め込んでも安全性が高いものです。
形態は代表的なものとして、棒状タイプ(スクリュー型、シリンダー型)と板状タイプ(ブレード型)などがあります。
ブリッジ、義歯との比較
インプラントは、入れ歯やブリッジと比べて本物の歯に感触が一番近く、入れ歯やブリッジとの比較の中では、一番よい治療方法だと思われます。
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インプラント |
ブリッジ |
入れ歯 |
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保険適用 |
なし |
あり |
あり |
メリット |
自分の歯と同じような感覚で噛むことができる。 強度も強くある 周りの歯を傷つけない。残った歯への影響が少ないため自分の歯を多く残せる。 顎の骨がやせるのを防げる効果がある。 長持ちする |
噛むのは固定式なのであまり違和感がない。 セラミックを使えば天然歯のようにきれい。 治療が短い。 |
比較的治療が簡単で短期間。 保険適用の場合はインプラントなどよりも安い。 通常の入れ歯の材質・方法であれば治療費が安い。 |
デメリット |
手術が必要。 治療費が高い場合がある。 骨への定着期間を入れると治療期間が長い。 ただし、フラップレス術式は骨の状態が良く、初期固定がしっかりしていれば、手術当日に仮歯を装着することも可能です。 |
両隣の健康な歯を削らなければならない。 支えになる歯に大きな力の負担がかかる。 抜けた歯の骨が痩せる場合がある。 ブリッジと歯肉との間に食べ物のカスがつまりやすい。 |
噛み心地が悪い。 硬いものを食べにくい場合が多い。 入れ歯に挟まって口の中が不衛生になりやすい。 味覚、食感がなくなる。 ガタつきがあり違和感を感じる。顎の骨が痩せる場合が多い。 |